九条ネギ
ネギというと一般には白ネギをイメージすることが多いようですが、関西の場合は葉の部分が長い「葉ネギ」を指します。白ネギでは、葉の部分は食べないで捨ててしまう習慣、地域もあるようですが、関西ではむしろ葉っぱが主役。品種としても葉の部分が長いのが、九条ネギの特徴です。
平安時代から、京都市の九条一帯で栽培されてきたことから九条ネギと呼ばれるようになったと考えられています。現在、「京の伝統野菜」のひとつとして知られています。
歴史
九条ネギの来歴について、京都市のホームページでは下記のように紹介されています。
和銅4年(771),稲荷神社が建立されたときに,現在の伏見区深草の地で,浪速(現大阪)由来の原種の栽培が始まったとされており,歴史は非常に古いものです。
京都市ホームページ
平安朝前期承和年代(834~848)にすでに九条で栽培されていたという記録があります。
「京の伝統野菜」とは、昭和63年に京都府農林水産部により定義された京都ならではの野菜のこと。京都のブランド品です。詳しくはこちらの京都府のHPで紹介されているので、ご覧ください。
特徴
さて、九条ネギの品種は「九条太ねぎ」と「九条細ねぎ」の2タイプがあり、周年栽培が可能。佐野農園でも1年を通じて育て、出荷しています。特に、冬の旬の時期には甘みとぬめりが増して、格別の味わいとなります。
久御山町ではネギの栽培が盛んで、町のあちこちでネギ刈りの風景が見られます。
食べ方
九条ネギの食べ方は、うどんやラーメンなどの薬味、お好み焼きのトッピング、すき焼き、鍋物、煮物、みそ汁の具、などなど。ぜひ、お試しを。
また、風邪をひいたときの喉の痛みを和らげる民間療法として、ネギは活躍してきました。通年で販売されている九条ネギ、食べることで風邪予防も期待できるとのことなので、ぜひご活用ください。
京都さんぽ
現在、京都府内で広く栽培されている九条ネギ。中でも久御山町は、一大商圏・京都市街からのアクセスがいい場所に平野が広がっており、さらに桂川、宇治川、木津川の合流地点であり水が豊富なことなどから、栽培が盛んなエリアとなっています。
久御山町をめぐってみると、のどかな田園風景の中に高速道路が整備されていることに気づき、一帯が京都・奈良・大阪を結ぶ要所であることを再認識できます。